このムーブメントの先駆者として外せないのが、元フジテレビアナウンサーの近藤サトだ。彼女が白髪染めをやめ、ナチュラルな髪色でメディアに登場した際の衝撃は、今も鮮明に記憶されている。東日本大震災の被災地取材をきっかけに「災害時に染められないリスク」や「自分を偽る息苦しさ」を感じたという彼女の述懐は、多くの人々に強烈な気づきを与えた。
日本放送協会の朝の看板番組『あさイチ』などでも特集が組まれ、白髪を染めない「グレイヘア」という言葉は宝島社が主催する流行語大賞のトップテンにノミネートされるほどの社会現象となった。しかし、黒髪から美しいグレーへ移行するまでの半年から2年に及ぶ「伸びかけの期間」は、精神的にも根気が要る。近藤サトはその途中の葛藤や、マフラー・帽子を使ったスタイリングの工夫を率直に発信し、多くの女性にとっての心強い道しるべとなった。