「別にお腹にガスが溜まるような豆類や炭酸を摂った覚えはない」と反論したくなるかもしれない。だが、最大のガス源は食事そのものではなく、あなたが呼吸と共に無意識に飲み込んでいる「空気」だ。
臨床現場で近年特に注目されているのが「呑気症(どんきしょう)」である。パソコン作業に没頭しているとき、歯を食いしばる癖はないだろうか。あるいは、スマートフォンの画面を凝視しながら浅い口呼吸を繰り返していないか。人間は緊張状態や集中状態に陥ると、唾液と一緒に大量の空気を胃へ送り込んでしまう。ストレスによって自律神経の交感神経が優位になると、胃腸の正常な動きが阻害される一方で、無意識の空気嚥下(えんげ)が加速する。
胃に溜まった空気はゲップとして排出されなければ、すべて小腸、大腸へと流れていく。行き場を失った空気の塊が、消化液と混ざり合いながら腸壁を刺激し、あの忌々しい爆音を生み出すのだ。