「早く平らにしたい」という焦りから自分で潰す行為は、医学的見地から完全に否定されている。指で圧迫すると膿が皮膚の内側へと破裂し、周囲の正常な組織まで巻き込んで炎症が広がるためだ。日本皮膚科学会の治療ガイドラインでも、早期の組織修復と瘢痕予防を最優先にした処置が推奨されている。
炎症の初期から中等度であれば、過酸化ベンゾイルやアダパレンといった毛穴の閉塞を除去しつつ強力な酸化作用でアクネ菌を殺菌する外用薬が基本戦略となる。過酸化ベンゾイルは耐性菌を作らない強みがあり、標準治療の主軸として定着している。
しかし、すでに赤く硬く盛り上がってしまったしこりに対しては、外用薬の浸透を待つだけでは時間がかかりすぎる。即効性を求める局面で皮膚科が採用するのが「ステロイド局所注射(ケナコルト注射)」だ。極細の針を用いて病変部へ直接ごく微量の抗炎症薬を注入する。早ければ翌日から数日以内に劇的な消退を見せ、組織の破壊を食い止める独自アプローチとして高い実績を誇る。また、限界まで膿が溜まっている場合は、医療用の滅菌針や炭酸ガスレーザーで微小な穴を開けて内容物を安全に排出する面皰圧出処置が選択される。