厨房で腕を振るうネパール人シェフたちの動きには、一切の無駄がない。火柱が上がるコンロ、巨大な寸胴鍋、そして灼熱の窯。目配せひとつでオーダーを捌き、絶妙なタイミングで料理を仕上げていく姿は、まるでNetflixの人気シリーズ『ストリート・グルメを求めて: アジア』の緊迫したワンシーンを見ているようだ。
彼らの多くはヒマラヤの麓から海を越え、日本の食卓に本場の味を届けるためにやってきた熟練の料理人たちだ。スパイスの調合はマニュアル頼みではなく、日々の気温や湿度、玉ねぎの水分量に合わせて微妙に微調整されているという。「辛さのなかに旨味を感じてほしい」。片言の日本語に込められた誇りが、一皿一皿の確かな味となって客の舌へと届く。