微小な昆虫であるチャタテムシ目(Psocoptera)自体は、蚊やトコジラミのように人を吸血することはない。毒針を持つわけでもない。そのため「少し目障りだが放っておけば冬には消えるだろう」と楽観視する生活者が後を絶たない。しかし、それこそが最大の罠だ。
彼らが密集する空間は、肉食性の「ツメダニ」にとって格好の狩場となる。ツメダニはチャタテムシやチリダニを主食とする捕食性のダニであり、獲物が爆発的に増えれば、それに呼応してツメダニの個体数も指数関数的に跳ね上がる。そして夜間、就寝中の人間の皮膚へ偶発的に咬みつき、激しい痒みと発赤を伴う皮膚炎を引き起こすのだ。刺された痕は数週間にわたって消えず、耐えがたい痒みが日常生活を破壊する。
さらに、彼らの死骸や微小な糞は空気中に浮遊し、吸い込めば小児喘息やアレルギー性鼻炎のアレルゲンとして作用する。単なる生活害虫防除の域を超え、家族の呼吸器を守る医療的観点からも、初期段階での制圧が不可欠となる。