『あおざくら 防衛大学校物語』を読んだ読者がまず衝撃を受けるのが、入学直後から始まる圧倒的な規律の嵐です。シワ一つ許されない制服のアイロンがけ(プレス)、1秒の遅れも許されない点呼、容姿や居室の乱れを徹底的に追及される「容儀点検」など、読者の中には「漫画的な誇張ではないか」と疑う声も少なくありません。
しかし、防大出身者や自衛隊関係者の証言を総合すると、作中のリアル度は90%以上に達していると評価されています。特に1学年が直面する「部屋っ子制度(上級生と下級生が同室で起居を共にする指導体制)」の緊張感や、指導係の上級生から受ける激しい指導の様子は、現場を経験した者ほど「当時の記憶がフラッシュバックする」と語るほど忠実です。
主人公・近藤勇真が体験する「脱靴(だっか)・着帽」の厳格な所作や、校舎内を常に駆け足で移動しなければならない1学年の過酷な日常は、防衛大学校の学生生活における偽らざる日常風景です。漫画でありながら自衛隊の幹部養成機関が持つ独特の空気感を寸分違わず再現している点が、本作がミリタリーファンのみならず防衛関係者からも絶賛される最大の理由となっています。