朝ドラファンの間で「ちむどんどんの脚本家は誰なのか」と大きな注目を集めた人物こそ、劇作家・脚本家として日本の映像界で確固たる地位を築いてきた羽原大介(はばら だいすけ)氏です。
1964年生まれの羽原大介氏は、日本大学藝術学部文芸学科を卒業後、名門劇団「新宿梁山泊」の創立に参加。役者や演出助手としての泥臭い下積みを経て劇作家としての頭角を現しました。その後、自身の劇団「昭和芸能舎」を旗揚げし、昭和のエネルギーに満ちた市井の人々の悲喜こもごもを骨太な筆致で描き続けてきたキャリアを持ちます。
羽原氏の経歴を語る上で欠かせないのが、数々の名作映画とテレビドラマにおける輝かしい実績です。井筒和幸監督と共同脚本を手掛けた映画『パッチギ!』(2005年)では第29回日本アカデミー賞優秀脚本賞を受賞。翌2006年には、炭鉱の町がフラダンスで再生していく実話を元にした映画『フラガール』で第30回日本アカデミー賞最優秀脚本賞を受賞し、脚本家としての名声を不動のものとしました。
テレビ界でもその評価は極めて高く、2014年後期の連続テレビ小説『マッサン』では単独脚本を担当。実在のウイスキー創業者夫妻をモデルに、異国の地で奮闘する夫婦の絆を情熱的かつ緻密に描き切り、期間平均世帯視聴率21.1%(関東地区・ビデオリサーチ調べ)という大ヒットを記録しました。まさに、朝ドラの特性と人情劇のツボを知り尽くした「間違いのない大御所」として満を持して起用されたのが『ちむどんどん』だったのです。