常闇踏陰が「強すぎる」と評される根本的な理由は、宿している個性「黒影(ダークシャドウ)」の基本性能の高さと、そのポテンシャルを極限まで引き出した本人の戦術眼にあります。黒影は本体である常闇の身体から生み出される影のモンスターであり、自律した意思を持つ極めて珍しいタイプの個性です。この「自律した意思」がもたらす最大の強みは、常闇本人の死角を完璧にカバーするオートガード性能と、常闇の指示に対する阿吽の呼吸による即時対応力にあります。
雄英高校体育祭の時点ですでに、圧倒的な近接ラッシュ力と強固な防御壁としての黒影の頑丈さは際立っていました。しかし、当時の常闇には「強い光を浴びるとエネルギーが削られ萎縮する」「暗闇では出力が跳ね上がる反面、常闇の制御を離れて暴走する」という極端な二面性がありました。この制御困難な二面性こそが彼の評価を「条件付きの強者」にとどめていた要因でした。
ところが、インターンや度重なる実戦を経て、常闇はこの弱点と真っ向から対峙します。光を克服するために編み出したのが、黒影を外に放つのではなく自らの肉体に纏わせる「深淵闇躯(ブラックアンク)」です。さらに、No.2プロヒーローであるホークスのもとで空中機動力を手に入れたことで、弱点であった「光による減衰」を補って余りある立体的な戦闘スタイルを確立。地上戦のみならず三次元空間を制圧するオールラウンダーへと大化けしました。