「熱もないし喉の痛みもないが、喉の奥がムズムズして咳が止まらない」という症状は、アレルギー性鼻炎患者の多くを悩ませる典型的な兆候です。この現象の主たる原因は「後鼻漏(こうびろう)」と「気道過敏性の亢進」にあります。
通常、鼻腔内では1日に約1リットルの分泌物が生成され、無意識のうちに喉へと流れています。しかし花粉症によって大量に作られた粘り気のある鼻水が喉の奥(咽頭後壁)に慢性的に垂れ落ちると、粘膜の知覚神経である迷走神経の受容体が持続的に刺激されます。脳はこの異物を排除しようと反射を起こすため、夜間や早朝、横になったタイミングで激しい咳き込みが誘発されるのです。
後鼻漏による喉のイガイガの特徴は以下の通りです:
- 日中よりも就寝時や起床時に喉の違和感・咳が悪化する
- 喉の奥に何かが張り付いているような異物感(痰を切りたくなる感覚)がある
- 喉を観察すると、赤く腫れ上がっているというよりは、白〜透明な粘液が垂れているのが見える
- 咳止め薬(中枢性鎮咳薬)を単独で飲んでもあまり改善しない