ファンの間で長年議論の的となってきたのが、各相棒が特命係を去った相棒歴代降板理由です。週刊誌などで「水谷豊との不仲」といったセンセーショナルな見出しが躍ることもありましたが、報道各社の取材データや当事者たちの回顧録を丹念に紐解くと、そこにはまったく異なるプロフェッショナル同士の決断が存在します。
初代・亀山薫の降板とサルウィンへの旅立ち
season7第9話での亀山薫の退場劇は、盟友の遺志を継いで海外(サルウィン)の子供たちに正義を教えるという異例の展開でした。当時の一部週刊誌は「制作陣や水谷との確執」を報じましたが、寺脇康文自身が後に明かしたところによれば、40代半ばを迎え「役者・寺脇康文として、亀山薫という当たり役に甘え続けることなく、外の世界で挑戦したい」という純粋な役者魂からの申し出でした。水谷もその背中を押し、互いの敬意を保った上での発展的解消だったことが、14年越しの再登板によって完全に証明されています。
2代目・神戸尊の「当初からの3年任期」
神戸尊の警察庁警備局への異動(復帰)についても、及川光博自身がメディアで明言している通り、当初から「足かけ3年の契約」という前提でオファーを受けていました。右京との緊張感ある関係性を保ち、キャラクターが摩耗する前に最も美しい形で卒業させるという制作側の周到なプロットによるものでした。及川は降板後も劇場版やスペシャルドラマに幾度となく客演しており、水谷との良好な関係は周知の事実です。
3代目・甲斐享の衝撃的逮捕と成宮寛貴の現在
シリーズ最大の激震が走ったのが、season13最終話「ダークナイト」における甲斐享の逮捕劇でした。法の網をすり抜ける犯罪者を私的に制裁していた首謀者が相棒自身だったという結末は、視聴者に強烈なトラウマと賛否両論を巻き起こしました。これもまた水谷豊の「最後は右京が育てた男が罪を犯し、それを右京自ら暴く」というシナリオプランと、成宮自身の3年限定という出演意志が合致した結果でした。
その後、2016年に突如として芸能界を引退した成宮寛貴ですが、近年はアパレルプロデュース等を手がけつつ、成宮寛貴現在の活動として動画配信ドラマへの出演や芸能活動の一部再開が報じられるなど、目覚ましい動きを見せています。往年のファンからは「罪を償った甲斐享が、特命係と再会するエピソードを」という待望論が絶えません。
4代目・冠城亘の「反町隆史卒業理由」
7シーズンにわたり特命係を支えた反町隆史卒業理由は、50代を迎えるにあたっての「俳優としての次なるステージへの挑戦」でした。歴代最多エピソード記録(138話)を樹立した反町は、水谷に対して「これ以上続けると甘えが出てしまう。節目となる50歳を前に、水谷さんから学んだことを別の現場で活かしたい」と自ら申し出ました。水谷も「冠城亘としての役割を見事に全うしてくれた」と最大の賛辞を送り、公安調査庁への栄転という最も晴れやかな花道で送り出されました。