福岡市博多区に本店を構える「如水庵」の歴史を紐解くと、博多という都市が歩んできた復興と商業の歩みがそのまま重なり合います。ルーツを遡ると江戸時代以前、博多の商人街で菓子づくりを行っていた名門の流れを汲み、明治・大正・昭和の激動期を経て現在の和菓子処としての地位を確立しました。
特筆すべきは、印象的な屋号である「黒田如水・黒田官兵衛の由来」です。豊臣秀吉の天下取りを支え、後に福岡藩52万石の礎を築いた天才軍師・黒田官兵衛。出家して「如水円清(じょすいえんせい)」と名乗った官兵衛は、荒廃していた博多の町割(復興都市計画)を断行し、現在の商業都市・博多の土台を作り上げた大恩人として地元で崇敬されています。如水公の「水のように清らかで、とどまることなく自在に形を変えながら本質を失わない」という高潔な生き様と哲学に深く感銘を受け、屋号にその名を冠したのが筑紫菓匠 如水庵の始まりです。
公式発信や社是に掲げられている「おいしさひとすじ、健康に良いお菓子を」という精神は、単なるスローガンにとどまりません。保存料や余計な添加物に頼らず、良質な水、佐賀県産ヒヨクモチなどの優良な糯米、選りすぐりの大豆を愚直に用いる姿勢こそが、地元博多っ子から「手土産で如水庵を選べば間違いない」と絶大な信頼を寄せられる根拠となっています。