松本若菜の起用以前に、お茶の間の視線を釘付けにしたのが「アットホームであった!」のフレーズに合わせてコミカルかつキュートなステップを披露していた福原遥(ふくはら はるか)です。「アットホームCMダンス女優」「あの歌って踊っている女の子の名前は?」とSNS上を騒がせ、同社CMの認知度を若年層の間で爆発的に引き上げた立役者です。
子役時代にNHK Eテレの料理アニメ番組で「まいんちゃん」として全国的な知名度を得ていた彼女ですが、10代後半から20代前半にかけての過渡期において、このアットホームCMは子役のパブリックイメージを脱ぎ捨て、親しみやすい大人の女優へとステップアップする重要な架け橋となりました。画面いっぱいに広がる屈託のない笑顔と、覚えやすいリズミカルな振り付けは、一人暮らしを始める学生や新社会人の不安を払拭するポジティブなエネルギーに満ちていました。
その後、福原遥はNHK連続テレビ小説『舞いあがれ!』のヒロインに抜擢されるなど、名実ともに国民的女優へと飛躍を遂げました。アットホームCM歴代女優の系譜を振り返ると、相武紗季が築いた「爽やかで快活なヒロイン像」を福原遥が「親近感あふれる妹・若年層のアイコン」へと昇華させ、現在の松本若菜へと受け継がれていくという、時代の空気感に即した見事なリレーが見て取れます。