ネット上の情報発信には、読者の関心を引くために過度な期待を抱かせる誇大表現が散見される。その筆頭が「毎日数独を解けば認知症にならない」という神話である。
英国エディンバラ大学をはじめとする複数の追跡調査機関のデータによれば、高齢期におけるパズル習慣は「パズルを解くスキルの維持」には直結するものの、生活機能全般を支える論理的判断力や言語記憶の低下を全般的に食い止める効果は限定的であることが示されている。数独は極めて良質な脳の体操であるが、十分な有酸素運動、バランスの取れた栄養摂取、他者との社会的な対話を代替するものではない。過度な万能視は避けるのが賢明だ。
さらに警戒すべきは、無料ゲームに巧妙に仕掛けられた「ダークパターン」の存在である。アプリ起動時に「無料体験」と大きく表示しつつ、小さく目立たない規約で3日後に週額数百円から千円を超える自動継続課金へとスライドさせるアプリが、今なおストア上で報告されている。特に高齢者が知らぬ間にサブスクリプションを契約させられていたトラブルは後を絶たない。信頼できる老舗パズルサイトのブラウザ版や、追加請求の構造が一切存在しない完全無料プラットフォームを厳選するリテラシーが不可欠である。