中古端末の流通現場において、Apple Watchの初期化不備は日常茶飯事のトラブルとして関係者を悩ませ続けています。大手リユースチェーンの査定スタッフへの取材や、大手フリマアプリでのトラブル報告データを精査すると、持ち込まれる端末の約15〜20%に何らかの初期化不備が見受けられます。
現場からは次のような生々しい声が上がっています。
「フリマアプリで『初期化済み・美品』として購入したのに、届いたWatchを起動したら前オーナーのApple ID認証画面から進まない。出品者に連絡を取ろうとしたがアカウントが退会済みで、結果的に文鎮を買わされただけになった」(30代男性・個人売買被害)
「店頭買取のカウンターで最も多いトラブルが、アクティベーションロックの未解除です。その場で前オーナー様にApple IDのパスワードを入力していただこうとしても、『普段Face ID任せでパスワードを覚えていない』『二段階認証のSMSが古い番号に届いてログインできない』といった事態になり、買取成立に至らないケースが週に何件も発生しています」(都内大手中古デジタル機器買取店・査定責任者)
知恵袋やSNS上でも、「初期化して発送したはずなのに購入者から怒りのメッセージが届いた」という出品者側の困惑が散見されます。ユーザー側は「画面がリセットされた=すべての処理が完了した」と錯覚しているのに対し、Appleの強固なセキュリティシステムは「認証情報が正規にサインアウトされるまで他人の使用を許さない」という仕様を貫いているからです。この認識のズレこそが、悲劇を生む最大の温床となっています。