脊髄小脳変性症は単一の疾患ではなく、小脳や脊髄の神経変性を主徴とする疾患群の総称です。日本国内の患者数は約3万人以上と推計されており、大きく分けて「孤発性(遺伝しないタイプ)」と「遺伝性」の2つに分類されます。
統計上、全体の約7割を占めるのが家族歴のない孤発性であり、残りの約3割が遺伝性の脊髄小脳変性症です。遺伝性の場合、原因となる遺伝子異常の特定が進んでおり、現在までに数十種類の病型(SCA1〜SCA数十番など)が解明されています。
なぜ特定の神経細胞だけが徐々に失われていくのかという発症メカニズムの解明は長年難航していましたが、異常タンパク質の蓄積や遺伝子のリピート伸長が関与していることが突き止められ、分子レベルでの病態解明が急速に進んでいます。