女優として一世を風靡した岡田可愛が、なぜアパレルビジネスの世界へ身を投じることになったのか。その転換点は、1980年代後半に訪れます。結婚や出産、子育てというライフステージの変化を経て、彼女は1989年に子ども服を中心としたアパレル会社「株式会社キッズエンジェル」を設立。自らが母親として感じた「本当に着せたい服、着心地の良い素材」を追求するビジネスをスタートさせました。
この事業を通じて培ったデザインセンスとマーチャンダイジングのノウハウを結実させたのが、大人の女性向けに立ち上げた自身のシグネチャーブランド「KAWAI OKADA(カワイオカダ)」です。同ブランドが飛躍する決定的な舞台となったのが、24時間テレビショッピング専門チャンネルの「QVC」でした。
自らナビゲーターとして生放送のスタジオに立ち、服の立体的なシルエット、伸縮性のある生地の機能美、そして体型を美しくカバーするカッティングの工夫を熱心に解説。その語り口は、女優時代に培った抜群の表現力と、主婦・女性としての等身大のリアリティに満ちていました。「可愛さんが着ているから欲しい」「説明に嘘がない」と中高年女性層から熱烈な信頼を獲得し、番組枠の放送時間内に数千着が瞬く間にソールドアウトする人気ブランドへと押し上げたのです。