膵臓癌で黄疸が出たら余命は?目の黄ばみ・尿の変色を医師が徹底解説

膵臓癌で黄疸が出たら余命は?目の黄ばみ・尿の変色を医師が徹底解説

膵臓癌で黄疸が出たら余命は?目の黄ばみ・尿の変色を医師が徹底解説について専門的な視点から解説いたします。詳細な分析をご確認ください。

黄疸を伴う膵臓癌の治療において、最優先で行われるのが「減黄(げんおう)処置」、すなわち胆道ドレナージです。胆汁を体外または十二指腸内へ流し出すことで黄疸とかゆみを消退させ、全身状態を整えます。

現在の標準的アプローチは、口から胃カメラに似た特殊な内視鏡を挿入して行う内視鏡的逆行性胆道ドレナージ(EBD / ERBD)です。内視鏡を十二指腸の開口部(ファーター乳頭)まで進め、細いカテーテルを胆管内に挿入して造影を行い、狭窄した部分に「胆管ステント」を留置します。

使用されるステントには主に以下の2種類があり、患者の状態や治療方針に応じて厳密に使い分けられます。

  • プラスチックステント(PS):直径2〜3mm程度の樹脂製チューブ。留置手技が比較的容易で抜去・交換が可能なため、近いうちに外科手術(膵頭十二指腸切除術)を予定している患者の「術前減黄」に第一選択となります。ただし、2〜3ヶ月で胆汁の沈着により閉塞しやすいため定期的な交換が必要です。
  • 自己拡張型金属ステント(SEMS / メタリックステント):形状記憶合金の網目状ステントで、挿入時は細く、留置後に体温で直径8〜10mmまで広がります。プラスチックに比べて口径が太いため長期間(半年〜1年以上)詰まりにくく、切除不能例や抗がん剤治療を長期継続する患者のQOL向上に広く用いられます。2026年現在では、がんの網目からの染み出しを防ぐ「カバー付き金属ステント」が主流となっています。

もし胃の手術後などで内視鏡が十二指腸に届かない場合や、腫瘍の浸潤が激しく内視鏡的アプローチが困難な場合は、超音波ガイド下に体外から肝臓を経由して胆管に針を刺しチューブを通す経皮経肝胆道ドレナージ(PTBD)や、超音波内視鏡を用いて胃や十二指腸から胆管を直接つなぐEUS下胆道ドレナージ(EUS-BD)といった高度な低侵襲手技が選択されます。

減黄と並行して、膵臓がんの血液検査(腫瘍マーカーであるCA19-9、CEA、DUPAN-2、SPAN-1や、膵酵素・肝機能酵素のアミラーゼ、エラスターゼ1、ALP、γ-GTP)および造影CT検査、超音波内視鏡下穿刺吸引細胞診(EUS-FNA/FNB)を行い、がんの確定診断と正確なステージ判定が進められます。

中川 明日香
著者

中川 明日香

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。