黄前久美子の高校生活において、精神的な最大の試練となったのが高校3年生のコンクールにおけるユーフォニアム・ソリスト選考です。強豪校・清良女子からの転校生である黒江真由(くろえ まゆ)の圧倒的な演奏力と、北宇治が掲げる「実力至上主義」の原則の狭間で、部長としての久美子は激しい葛藤に直面しました。
特筆すべきは、原作小説と京都アニメーション制作のアニメ版(第3期)において、最終的な全国大会ソリストの選定に大きな差異が存在するという事実です。この改変は作品のテーマ性をより鋭角に浮き彫りにし、国内外で極めて大きな反響を呼びました。
アニメ版第3期第12話で見せたブラインドオーディションの結果は、視聴者に強烈な衝撃を与えました。しかし、親友である高坂麗奈(こうさか れいな)が私情を排して真由を選び、久美子自身がその判定を正面から受け止めて部をまとめ上げたシーンは、「実力主義を掲げた北宇治高校吹奏楽部」という組織の正当性を証明する最高峰のドラマとなりました。