深夜に近所の24時間ドラッグストアへ駆け込んだ多くの人が突き当たるのが、「店舗は営業しているのに、処方箋を出せない」「ロキソニンなどの第一類医薬品深夜購入を断られた」というトラブルです。大手チェーンの店頭を取材すると、スタッフからは「深夜に処方箋を持参され、調剤できない旨を伝えてトラブルになるケースが後を絶たない」という切実な声が聞かれます。
この現象の背景には、医薬品医療機器等法(薬機法)に基づく厳格な人的配置ルールが存在します。医薬品の販売および調剤は、法律上明確に区分されています。
- 第2類・第3類医薬品(風邪薬、胃腸薬、鎮痛剤の一部など):登録販売者が店内に1名以上常駐していれば24時間いつでも販売可能。
- 第1類医薬品(ロキソプロフェン製剤、一部の胃薬・アレルギー薬など):薬剤師の対面または遠隔での情報提供が義務付けられており、薬剤師不在の時間帯は鍵付きの棚やカウンター奥に封鎖され販売不可。
- 医療用処方箋の調剤業務:厚生労働省の許可を受けた調剤薬局フロアにおいて、薬剤師本人が物理的または法令で認められた体制下で調剤・監査・服薬指導を行わなければ受け付けられない。
ウエルシア24時間営業店舗やスギ薬局深夜営業店舗の多くは、夜間帯を登録販売者のみで回すオペレーションを採用しています。日本チェーンドラッグストア協会の推計データを見ても、全営業時間帯で処方箋夜間受付が可能な「完全24時間調剤薬局」は、全国の調剤薬局全体のわずか2〜3%未満にとどまっているのが現実です。明かりがついているからといって、医療処置の続きを受けられるわけではないという前提認識が不可欠となります。