施設入所を検討する際、最も大きな疑問となるのが「毎月の費用負担はどうなるのか」「所持金がゼロになってしまうのか」という点です。生活保護受給者が施設へ入所する場合、基本的な費用は保護費から直接または現物給付として支払われるため、原則として自己負担は発生しません。
生活保護には8種類の扶助があり、施設生活においては主に以下の3つが適用されます。
- 介護扶助:施設で受ける介護サービス費用の10割(全額)を支給。利用者の自己負担は0円。
- 住宅扶助(または施設所在地の基準額):施設の家賃・居室代に充当。地域の住宅扶助上限額の範囲内で支給。
- 生活扶助:食費、光熱水費、日用品費などの生活基本費用として支給。
施設入所時における生活扶助費は、在宅生活時と異なり「施設基準」の算定方式へ切り替わります。食費や光熱水費は施設側へ直接納入される形となり、残った金額が個人手元金(日常生活費)として毎月支給されます。
手元に残るお金は、施設の種類や等級地(地域区分)によって多少異なりますが、概ね月額15,000円〜25,000円程度です。この手元金から、医療保険外の嗜好品、個人の携帯電話代、衣類の購入費、理美容代(散髪代)などをやりくりすることになります。入所したからといって小遣いが一切持てなくなるわけではなく、日々のささやかな買い物を楽しむ自由は保障されています。