歴史的建造物の多くが博物館化される中、武庫川女子大学甲子園会館が特別な存在感を放っているのは、武庫川女子大学建築学部の学生たちが日々学ぶ「生きたキャンパス」として機能している点です。
巨匠が残した本物の空間に身を置き、光の入り方、タイルの質感、空間のスケール感を肌で感じながら建築を学べる環境は、国内の大学でも極めて稀有な教育現場といえます。敷地内には会館の意匠に調和する形で新棟も整備され、新旧の建築美が美しく共鳴しています。
単なる保存にとどまらず、次世代の建築家を育成する生きた空間として利活用する取り組みは、ヘリテージマネジメント(歴史的遺産の継承)の先進事例として建築専門誌などでも高く評価されています。