商業的な喧騒がクローズアップされがちですが、本展の神髄は村上隆が日本美術の歴史に真正面から挑んだ圧倒的な作品制作のクオリティにあります。展示された約170点の大半が新作であり、京都の歴史、伝統工芸、そして江戸時代の絵師たちへのオマージュが極限まで詰め込まれました。
最大の見どころの一つが、岩佐又兵衛の傑作を独自の解釈で再構築した《洛中洛外図》です。全長約12メートルに及ぶこの大作は、京都の町並みとそこに息づく無数の人々、そして奇怪なもののけたちが緻密な筆致で描かれ、琳派や奇想の系譜を現代のアニメーション的感性と融合させた圧巻の絵巻物となっています。
さらに、美術館の日本庭園に姿を現した《お花の親子 巨大彫刻》は、見る者を圧倒しました。金箔に包まれた高さ約13メートルの巨大な彫刻が池の上にそびえ立ち、足元にはルイ・ヴィトンのモノグラムトランクが配置されるなど、伝統的な庭園風景とグローバル・ラグジュアリーの交錯を鮮烈に提示しました。
会場内では、四神(青龍、白虎、朱雀、玄武)に守護された京都の結界を表現した空間や、市松模様のなかにDOB君や風神雷神が躍動する空間など、カイカイキキ制作陣の超絶技巧が集約された新作が連続し、美術批評家からも極めて高い評価を獲得しました。