SNSや匿名掲示板では、ライバーの不祥事や離脱が起こるたびに「運営による一方的な切り捨て」「ライバー間のいじめや派閥争い」といった陰謀論めいた言説が飛び交います。しかし、公開されている決算資料や第三者機関の調査レポートを丹念に検証すると、実態はより現実的でシビアなビジネス上の摩擦であることが分かります。
ネット上で特に根強く信じられている誤解が、「ANYCOLORは規約違反に対して無警告で即座に契約解除を行う」という言説です。実際の契約書条項および同社のリスクマネジメント報告書によると、重大な情報漏洩や反社会的行為を除き、基本的には複数回にわたる警告と改善機会の付与が義務付けられています。それでも契約解除に至るケースでは、裏面で権利侵害に関わる法的責任問題や、スポンサー企業からの直接的なクレームが発生し、企業として法的保護を行いきれなくなった段階に達しているのが事実です。
さらに、同社は2022年以降、業界ライバルであるカバー株式会社(ホロライブ運営)と異例の「誹謗中傷対策に関する共同声明」を発表し、警察当局や裁判所と連携した法的手続きを強化してきました。ファンの目には「ライバーを守らない冷淡な組織」と映りがちですが、上場企業としての情報開示責任と、法的守秘義務の板挟みによって、運営側が真実のすべてを公表できない事情が誤解を増幅させている側面があります。