結論から述べると、市議会議員になるために特定の学歴や国家資格は一切求められません。公職選挙法において、市議会議員学歴資格に関する制限は存在せず、中卒、高卒、大卒、あるいは職歴の有無にかかわらず、すべての市民に門戸が開かれています。医師や弁護士のような専門資格も不要です。
法的に定められた地方議会議員立候補条件の根幹は、次の2点に集約されます。
第一に、市議会議員被選挙権です。選挙の投開票日時点で満25歳以上の日本国民であることが条件となります。年齢の上限はありません。なお、成年被後見人に関する規定の見直しなど法改正を経た現在でも、禁錮以上の刑に処せられ執行が終わっていない者など、法律に定める欠格事由に該当する場合は立候補できません。
第二に、多くの新人候補者が思わぬ落とし穴にはまるのが市議会議員居住要件です。公職選挙法第9条および第10条の規定に基づき、その自治体の区域内に「引き続き3か月以上住所を有する者」でなければなりません。ここで極めて重要なのは、単に住民票を移して3か月が経過しているだけでは不十分という点です。
選挙管理委員会や裁判例では、「生活の本拠が実際にその自治体にあるか」が厳格に審査されます。水道・光熱費の使用履歴、日常的な起居の事実、郵便物の受取状況などが調査対象となり、過去には「形式的にアパートを借りて住民票を移しただけ」と判断されて当選無効となった判例が複数存在します。地域に根を張って生活実態を作ることが、立候補における最初のハードルとなります。