夜間の体温上昇に悩む人々の実情を探ると、現代特有の働き方やメンタルヘルスとの根深い結びつきが浮かび上がってきます。
オンラインコミュニティや医療相談プラットフォームで交わされる生の声を見ると、次のような切実な投稿が後を絶ちません。
「夜になると37度4分まで上がり体がカッカする。でも朝になると36度3分に下がるから会社を休む口実にもならない。上司に相談しても『朝元気なら来られるだろう』と言われ、誰にも理解されないのが一番つらい」(30代・IT企業勤務女性)
「解熱剤を飲んでも全く汗が出ず、熱も引かない。近所の内科で血液検査をしても『炎症の数値はゼロだから風邪でもない』と言われ、途方に暮れている」(40代・営業職男性)
取材した総合診療科の医師は、診察現場の実態について次のように語っています。
「『夕方から熱が出る』と訴えて来院される患者さんのカルテを精査すると、発症前の数カ月間に過重な残業や人間関係のトラブルを抱えているケースが目立ちます。真面目で責任感の強い人ほど、日中は気力で身体を覚醒させ、夜になって緊張が途切れた途端に体温調節が破綻する傾向にあります。血液検査で異常がない場合、『気のせい』と片付けるのではなく、心身両面からの包括的なアプローチが不可欠です」
当事者が抱える最大の苦しみは、「朝は下がるため周囲に仮病と誤解されやすい」という点にあります。この孤立感が更なる精神的負荷となり、症状を長期化させる悪循環を生み出しているのです。