歯が痛いのに虫歯じゃない?激痛の真相と受診すべき診療科

歯が痛いのに虫歯じゃない?激痛の真相と受診すべき診療科

歯が痛いのに虫歯じゃない?激痛の真相と受診すべき診療科についての最新情報をご紹介します。

非歯原性歯痛の原因は多岐にわたります。日本口腔顔面痛学会が提示する最新の診断ガイドラインに準拠し、痛みの臨床的特徴別に代表的な疾患を掘り下げます。

1. 電撃が走るような激痛「三叉神経痛」の真相

「歯磨きをした瞬間」「冷たい風が頬に当たった瞬間」「食事で一口目を噛んだ瞬間」に、電気が走るような、あるいはアイスピックで突き刺されるような激烈な痛みが数秒〜数十秒走る場合、最も疑われるのが三叉神経痛(特発性三叉神経痛)です。血管が三叉神経の根元を圧迫することで神経線維の絶縁が狂い、わずかな触覚刺激が激痛の信号へと誤変換されます。あまりの痛さに「一刻も早くこの歯を抜いてほしい」と懇願する患者が続出しますが、歯を削っても抜いても神経痛の痛みは全く消えません。

2. 鼻の奥の炎症が上の奥歯を刺激する「歯性・鼻性上顎洞炎」

上の奥歯(大臼歯や小臼歯)の根元は、頬骨の奥にある空洞「上顎洞」とわずか数ミリの骨、あるいは粘膜1枚を隔てて隣接しています。風邪やアレルギー性鼻炎から上顎洞に膿が溜まる(蓄膿症)、あるいは過去の治療歯の根尖病巣から上顎洞へと炎症が波及すると、上顎洞の底を走る上歯槽神経が激しく刺激されます。「走ると歯に響く」「階段を降りる振動でズキズキ痛む」「頭を下に傾けると激痛が増す」といった症状が典型的な見分け方です。

3. ストレスとTCH(歯列接触癖)が招く「筋膜性歯痛」

パソコン作業やスマートフォンの操作中、無意識に上下の歯を接触させ続ける癖(TCH:Tooth Contacting Habit)や、就寝中の強い食いしばり・歯ぎしりによって、咀嚼筋(咬筋や側頭筋)が過度の緊張状態に陥るケースです。筋肉の中に「トリガーポイント」と呼ばれる痛みの震源地が形成されると、そこから離れた奥歯にじわじわと締め付けられるような激しい痛みが放散します。デスクワークの終盤である夕方から夜間にかけて痛みが悪化しやすいのが大きな特徴です。

4. 「自殺頭痛」とも呼ばれる激烈な放散痛「群発頭痛」

20代〜40代の男性を中心に多く見られる群発頭痛は、片側の目の奥がえぐられるような激痛を伴うことで知られますが、痛み神経の興奮が上顎や下顎にまで放散し、「上の歯が全部痛い」「顎が割れそうだ」と歯科を受診するケースが目立ちます。痛みが群発期(数週間から数カ月)に集中し、決まって夜間や睡眠中に襲ってくる点、涙や鼻水を伴う点が特徴です。

池田 達也
著者

池田 達也

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。