3文字苗字の分布を地域別に見ると、特定の都道府県に圧倒的な集中が見られます。代表的なエリアが沖縄県、青森県・岩手県(東北)、そして鹿児島県(九州)です。
1. 沖縄県:独特の地頭職と門中制度
沖縄県は全国で最も3文字名字のバリエーションと比率が高い地域の一つです。琉球王国時代の間切(まぎり)や村の名称がそのまま名字に転じています。
・喜屋武(きゃん / きやむ)
・具志堅(ぐしけん)
・仲宗根(なかそね)
・与那嶺(よなみね)
・東江(あがりえ)
2. 東北地方(青森・岩手):牧畜・アイヌ語・開拓の歴史
北東北には、平安末期から鎌倉期の馬牧場や開拓集落、さらにはアイヌ語地名に漢字を当てた3文字名字が多く分布します。
・小比類巻(こひるいまき):青森県三沢市周辺に集中。「比類(牧場境界)」の地形由来。
・苫米地(とまべち):アイヌ語の「トマム・ペツ(湿原を流れる川)」に漢字を当てた地名由来。
・八重樫(やえがし):岩手県北上市周辺に極めて多い名字。
3. 鹿児島県(薩摩):独特の門割(かどわり)制度
薩摩藩の農民支配制度であった「門割制度」により、屋号や屋敷の立地に由来する名字(伊集院、肝付、頴娃など)が定着しました。