髄膜刺激症状とは、脳および脊髄を保護している3層の膜(硬膜・くも膜・軟膜)のうち、特に軟膜やくも膜、あるいはクモ膜下腔に何らかの刺激が加わることで生じる特有の神経学的所見です。刺激の原因としては、細菌やウイルスによる急性炎症、あるいは動脈瘤破裂などに伴う出血(血液成分による刺激)が挙げられます。
髄膜に炎症や刺激が生じると、脊髄神経根が過敏になり、首や背部を取り囲む伸筋群が反射的に攣縮(れんしゅく)を起こします。その結果、「首を前方に曲げようとすると激痛が走り、あごが胸につかない」という特徴的な運動制限が出現します。単なる肩こりや寝違えと誤認されやすいものの、首を左右に回す動きよりも前後に倒す(特に前屈する)動きが極端に制限される点が決定的な違いです。