室内機のリセットを試みても温風しか出ない場合、視点を屋外に向ける必要があります。エアコンの冷却能力の実に8割以上は室外機が担っています。「室内機から風は出るが全く冷えない」というトラブルは、室外機側で致命的な障害が発生している証拠です。
まず検証すべきエアコン室外機が動かない原因の代表例が、室外機周囲の「ショートサーキット(熱ショート)」です。室外機の正面に植木鉢やゴミ箱を置いたり、狭いベランダにすだれやカバーを密着させて覆ったりしていると、排出した熱風を自ら再び吸い込んでしまいます。室外機内部の温度が一定限界を超えると、基板に備わった安全保護装置(サーマルプロテクター)が作動し、コンプレッサーを強制停止させる構造になっています。周囲に30cm以上の空間を確保し、日陰を作る遮光板を浮かせて設置するだけで息を吹き返す例は極めて多く見られます。
もう一つの重大な要因が、冷媒系統のトラブルです。ネット上では「エアコンのガスは使っているうちに減る」という誤解が散見されますが、これは完全な虚偽です。エアコンの配管は完全密閉された銅管サイクルであり、ガスが自然に消費されて減ることは構造上あり得ません。効かなくなった原因がガスにある場合、それは「どこかから漏れ出している」という明確な欠陥を意味します。
業者の専門器具がなくても可能な、エアコンガス漏れの真相と見分け方は以下の2点に集約されます。
1. 配管接続部の「白い霜」
冷房を15分程度運転した状態で室外機側面を見て、細い方の銅管バルブに真っ白な霜(フリーズ現象)が付着している場合、冷媒ガスが規定量を大幅に下回っている決定的証拠です。圧力が下がりすぎて異常冷却が起きているサインであり、放置するとコンプレッサーが焼き付きます。
2. 配管ジョイント部の「油のにじみ」
冷媒ガスにはコンプレッサーを潤滑するための特殊な冷凍機油が混ざっています。配管のつなぎ目やバルブ周辺に黒っぽい油汚れやベタつきがある場合、そこからガスと一緒にオイルが吹き出していると断定できます。