「見た目はスマートになったものの、歩くたびに結び目が足の甲にめり込んで激痛が走る」――このトラブルを訴えるユーザーの足元を調べると、ほぼ例外なくシュータン(ベロ)の真裏、ちょうど甲の頂点付近に大きな結び玉(ノット)を配置しているという共通点が見られます。
足の甲は、手の甲と同様に皮下脂肪が極めて薄い部位です。その直下には足指を上に持ち上げる「長母趾伸筋腱」や「前脛骨筋腱」、さらには感覚を司る「浅腓骨神経」が網の目のように走行しています。スニーカーのような厚手のクッションパッドが入ったタンであれば圧力が分散されますが、上質なドレスシューズのタンは厚さ1.0〜1.5mm程度の薄い一枚革で作られていることが大半です。
歩行時に足指が曲がり、かかとが浮き上がる「あおり運動」の瞬間、足の甲には体重の約1.2〜1.5倍の負荷がかかります。その際、硬く結ばれた結び目がクッションのないタンを介して神経や骨膜をダイレクトに圧迫するため、数十分歩いただけで耐え難い痛みや痺れへと発展します。靴紐を隠す際は、「どこに結び目を収めるか」という空間の設計を誤ると、健康被害にも似た歩行障害を引き起こすリスクがあるのです。