季節製作の現場において、長年水面下で議論されてきたのが「どこまで保育士が手を入れるべきか」という境界線問題です。保育関連コミュニティの議論や現役保育士へのヒアリングにおいて、次のような切実な告白が寄せられています。
「保護者に持ち帰らせたとき、『うちの子、こんなに上手に作れたんだ!』と喜んでほしいあまり、気付けば目や口の位置を保育士が修正し、糊付けもきれいに整えてしまっていた。結果として、クラス全員が均一で寸分違わぬ作品が並ぶことに強い違和感を抱いた」(認可保育所勤務・勤続7年目の保育士談)
実際、大手保育Webメディアが実施した現場アンケートによると、実に78.4%の保育士が「子どもの主体性を重んじたいが、保護者の視線や展示の見栄えを気にして手を出してしまう葛藤がある」と回答しています。しかし一方で、保護者側の本音を掘り下げると興味深いギャップが浮き彫りになります。子育て世帯への意識調査では、「完璧に整った工業製品のような作品」よりも、「線が歪んでいても、目玉シールがとんでもない場所に貼られていても、本人が懸命に取り組んだ軌跡が残る作品」を愛おしいと感じる保護者が86.1%を占めています。
2歳児特有の「アンバランスさ」こそが、二度と戻らない発達段階の尊い記録です。大人が良かれと思って施す修正は、子どもから「自分の作品を自分でやりきった」という誇りを奪いかねないという事実を、送り手である保育者側が再認識する必要があります。