ネット上の情報掲示板や知恵袋などで流布している「筑波山ライブカメラにまつわる3大誤解」を検証し、事実を明らかにします。
第一の誤解は、「ライブカメラの広場に雪がなければ軽アイゼンは不要」という言説です。前述の通り、ライブカメラが設置されている御幸ヶ原広場は日当たりが良く、除雪や人通りによって雪解けが早い傾向にあります。しかし、女体山から白雲橋方面へ下る「弁慶七戻り」周辺や、男体山北側の自然研究路は日照時間が極めて短く、一度凍結すると数週間にわたって氷盤が残ります。平らな広場が無雪であっても、冬場はチェーンスパイクや軽アイゼンをザックに忍ばせておくのが登山の常識です。
第二の誤解は、「雲で何も映っていない日は登っても意味がない」という諦めです。筑波山特有の現象として、標高400〜600メートルの山腹に薄い層状のガス(霧)が停滞し、標高800メートル以上の山頂部だけが雲を突き抜けて快晴になる「逆転層」が発生することがあります。山麓の河川カメラが曇天や雨模様を示していても、山頂カメラをチェックすると突き抜けるような青空と雲海が広がっているパターンが存在します。
第三の誤解は、「ライブカメラが明るければ夕方でも安全に下山できる」という油断です。筑波山の山頂展望カメラは高感度センサーを採用しているため、肉眼よりも周囲が一段明るく映し出される傾向があります。現地では午後4時を回ると樹林帯の中は急速に漆黒の闇へと沈みます。「まだカメラが明るいから大丈夫」と過信してヘッドランプを持たずに下山を開始し、行動不能に陥る遭難事例は毎年繰り返されています。