五線譜の枠をはみ出したときに現れる追加の短い線、「加線(かせん)」。ヘ音記号の学習において、多くの初級者が「線の数が多すぎてパッと読めない」と頭を抱える第2の関門です。しかし、加線にも極めて規則的な幾何学パターンが存在します。
ヘ音記号で頻出する加線は、「五線の上側」と「五線の下側」の2パターンです。
上加線(高音域):ト音記号との重なりをハックする
ヘ音記号の上に飛び出す音符は、実はト音記号の領域に食い込んでいる音です。
- 上加線1本に乗る音 =「中央のド」
- 上加線1本の上の部屋 =「レ」
- 上加線2本に乗る音 =「ミ」(※ト音記号の第1線のミと全く同じ音)
つまり、上加線2本まで来ると、すでにト音記号の第1線(一番下の線)と完全に合流します。「上加線が増えたらト音記号の世界に突入している」と視覚的に捉えられれば、加線恐怖症は綺麗に消え去ります。
下加線(低音域):オクターブの鏡像パターンを見抜く
ピアノの左手伴奏で重低音を鳴らす際、下加線は避けて通れません。ここで役立つのが「オクターブ関係の線・間の一致」という音楽理論の法則です。
五線譜では、1オクターブ離れた音は必ず「線」と「間」が交互に入れ替わります。例えば、第2間の「ド」から1オクターブ下がると、下加線2本の「ド」になります。このとき、下加線2本は「線」に乗る音です。
「第2間のド(間)」のオクターブ下は「下加線2本のド(線)」。この法則を知っているだけで、下加線が2本引いてある音符を見た瞬間に、数えることなく「あ、これは2オクターブ下のドだ」と直感できるようになります。加線は本数を数えるのではなく、「形(アイコン)」として脳にパターン認識させることが、プロの読譜スピードを手に入れる秘訣です。