日本における500円硬貨の歴史において、令和3年は決定的な転換点だった。当時の財務大臣であった麻生太郎氏のもと、財務省と独立行政法人造幣局は偽造防止技術を飛躍的に高めた「令和3年銘500円バイカラー・クラッド貨幣」の導入を決定。2色の金属を組み合わせた異素材構造と、縁に施された微細な斜めギザ刻印は、世界最高水準の防偽技術として大きな話題を呼んだ。
この新型導入の陰で、長年親しまれた「旧500円ニッケル黄銅貨」は静かにその役割を終えようとしていた。日本銀行を通じて全国の金融機関へ新硬貨が順次供給される中、旧型の令和3年銘はごく短期間しか製造されなかった。結果として、この「最後の旧型500円玉」は発行終了と同時に、コレクター間での希少価値を一気に高めることとなったのだ。