初代・一条さゆり(本名:中村和子)は、1937年(昭和12年)に新潟県で誕生しました。幼少期から決して平坦ではない境遇に育ち、波乱に満ちた青春期を経てストリップの世界へと足を踏み入れます。当時のストリップ劇場は、戦後日本の大衆が放つエネルギーと猥雑さが渦巻く現場であり、彼女はその舞台で瞬く間に頭角を現しました。
彼女を唯一無二の存在へと押し上げたのは、単なる露出にとどまらない圧倒的なリアリズムと情念を帯びた舞台演出です。観客を惹きつける巧みな語り口と生々しい肉体表現は、一般の観客のみならず、作家や映画人、知識人たちをも強く魅了しました。アンダーグラウンドの枠を飛び越え、昭和カルチャーの象徴的なアイコンとして語られる土台は、この過酷な現場で鍛え上げられた表現力にあったのです。