草野とおるのキャリアを語る上で絶対に外せないのが、伝説の演劇ユニット「劇団カクスコ」での活動です。カクスコは1987年に結成され、男たちの他愛のない日常会話劇を極上のコメディに仕立て上げる独特のスタイルで演劇界に旋風を巻き起こしました。
中村まこと(現・中村育二)や井之上隆志ら個性派俳優陣とともに、草野はその中核メンバーとして八面六臂の活躍を披露。下北沢本多劇場を満員にし続けるほどの熱狂的な人気を獲得しました。2002年の劇団解散後も、草野の根底には「カクスコ魂」とも呼ぶべき緻密な会話の間合いと計算された身体表現が息づいています。
解散以降もストレートプレイからミュージカル、大劇場でのプロデュース公演まで幅広い舞台に出演。劇場空間を支配するその確かな力量は、同世代の演劇人はもちろん、若手俳優からも目標とされる存在です。