「筋肉は裏切らない」という言葉が爆発的なブームを巻き起こした直接のきっかけは、2018年8月にNHK総合で突如として放送された異色の5分番組『みんなで筋肉体操』でした。無駄な演出やタレントの談笑を一切削ぎ落とし、実力派の出演陣が無言で追い込みをかけるシュールかつ本格的な構成は、深夜の視聴者に強烈なインパクトを与えました。
この番組の指導・解説を務めたのが、順天堂大学大学院教授(放送当時は近畿大学准教授)の谷本道哉氏です。谷本氏が番組のエンディングで放った「筋肉は裏切らない」「あと5秒しかできません!」といった熱狂的な掛け声は、視聴者の心を一瞬で鷲掴みにしました。同年の「新語・流行語大賞」トップ10に選出されるなど、社会現象へと昇華した瞬間でした。
谷本氏自身は、長年の運動生理学研究に裏打ちされた「正しい刺激と休養を与えれば、筋肉は年齢に関係なく必ず応えてくれる」という揺るぎない事実を、極めてシンプルかつ情熱的に言語化したと明かしています。視聴者の怠惰を責めるのではなく、努力の正当な対価を約束するポジティブなメッセージ性が、時代を超えて愛される最大の理由です。