披露山庭園住宅が別格と呼ばれる最大の理由は、住民自らが協定を締結し、行政の認可を得て運用している「披露山庭園住宅建築協定」の厳格さにあります。日本の一般的な第1種低層住居専用地域と比較しても、その制限内容は群を抜いています。
主な協定ルールには以下のような項目が定められています。
- 敷地の細分化禁止:原則として1区画あたり約1,000平方メートル未満への分割売買を禁止。
- 建ぺい率20%以下・容積率40%以下:広大な敷地の8割を庭園やオープンスペースとして残す義務。
- 建物高さ制限8メートル以下(地上2階建てまで):後背地の眺望を遮らないための徹底した低層規制。地階の露出も厳しく審査。
- 高い塀やフェンスの設置禁止:コンクリート打ち放しの高壁や目隠しフェンスは不可。緑の生垣や低木によるオープン外構が原則。
- 店舗・商業利用の完全禁止:カフェ、サロン、宿泊施設(民泊含む)などの営業活動は一切不可。
住民が建物を新築・改築する際は、逗子市への建築確認申請に先立ち、自治組織である「披露山庭園住宅管理組合・建築協定運営委員会」による厳密な図面審査と承認を受けなければなりません。この妥協のない規律が、投機的な乱開発や景観の乱れを完全にシャットアウトし、街全体のブランド価値を半永久的に保つ防壁となっています。