一般的なプラスチック製(ポリプロピレンやポリスチレンなど)のクシは絶縁体であるため、髪と擦れることで強烈な静電気を発生・蓄積させます。一方、静電気対策を施したコームは、異なるアプローチで電荷をコントロールしています。
現在主流となっている代表的な静電気防止コームの仕組みは、主に以下の3つの系統に分かれます。
1つ目は、プロの現場でも定番となっている導電性カーボンコームです。炭素繊維(カーボンファイバー)を素材に練り込むことでコーム自体に電気を通す性質を持たせ、髪に溜まった静電気を手のひらを通じて空気中へとアース(除電)します。耐熱性や耐薬品性にも優れ、軽量で耐久性が高いのが特徴です。
2つ目は、近年のヘアケア市場を牽引するラブクロム(LOVE CHROME)に代表される特殊表面加工モデルです。特殊なメッキ技術(JP CHROME-TECHなど)によって表面を極限まで滑らかに仕上げ、静電気の発生要因である摩擦係数を大幅に削減しつつ、帯電を拡散・除電します。髪への物理的ダメージを最小限に抑える設計が施されています。
3つ目は、日本の伝統技術であるつげ櫛による静電気対策です。天然木(本つげなど)に椿油をじっくり染み込ませた櫛は、木材自体が静電気を起こしにくい性質を持ち、油分が髪に均一な潤い膜を与えて摩擦をブロックします。人工素材とは異なるアプローチながら、静電気を物理的に遮断する確かな理にかなった構造です。