なぜ豚ステーキは固くなるのか?フライパンで絶対失敗しないプロの焼き方

なぜ豚ステーキは固くなるのか?フライパンで絶対失敗しないプロの焼き方

なぜ豚ステーキは固くなるのか?フライパンで絶対失敗しないプロの焼き方に関する基本知識を徹底的にまとめました。今すぐチェックことができます。

フライパンの火を点ける前のプレパレーション(下準備)で、豚ステーキの仕上がりの8割が決定します。「買ってきてパックから出し、そのまま塩コショウを振って焼く」という手順を踏んでいる限り、プロクオリティの柔らかさに到達することは不可能です。

まずは豚ステーキを常温に戻す時間の確保が必須となります。季節によって室温は異なりますが、春・秋・冬場は調理の30分〜40分前、夏場でも空調の効いた室内で15分〜20分前には冷蔵庫から出しておきます。肉の表面だけでなく中心温度を16℃〜18℃程度まで穏やかに上昇させることで、火の通りが均一になり、余分な加熱時間を削ることができます。

続いて欠かせないのが豚肉の筋切りのやり方です。ロース肉の周囲には、赤身と白身(脂身)を分かつ結合組織(筋膜)が帯状に走っています。この筋膜は熱を加えると縮む性質があり、何もしないと肉全体がお椀のように反り返り、熱が中央に伝わらなくなります。

包丁の刃先を垂直に立て、赤身と脂身の境目を2cm〜3cm間隔で両面からトントンと突くように切り込みを入れます。このとき、赤身そのものを深く断ち切るのではなく、あくまで「境目の膜」を断ち切る感覚で行うのがコツです。さらに、包丁の背や肉叩きで表面全体を軽く叩き、筋繊維をほぐしておくと縮みを劇的に抑制できます。

そしてプロ直伝の豚肉ステーキ下味の鉄則は、「塩を振るタイミング」です。浸透圧の原理により、肉に塩を振ってから10分以上放置すると、細胞内の水分と旨味が表面に滲み出てしまいます。塩コショウを振るのは、フライパンに投入する直前1分〜2分前が基本です。また、肉の表面から肉汁が逃げ出さないよう、ごく薄く茶こしで小麦粉(薄力粉)を叩いておく裏技も驚くほどの効果を発揮します。小麦粉の膜が肉汁を中に閉じ込めるバリアとなるため、パサつきのリスクを極限まで低減できます。

中島 亮太
著者

中島 亮太

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。