1962年に公開された東宝の大ヒット映画『キングコング対ゴジラ』は、日本の特撮映画の歴史において金字塔と称される作品だ。この世紀の大作で主演を務めた高島忠夫は、コミカルでありながら熱意あふれる宣伝部員役を見事に演じきり、映画の爆発的な大ヒットに大きく貢献した。
当時の撮影現場は、ミニチュアセットの迫力や怪獣たちの造形など、工夫と執念に満ち溢れていた。怪獣同士の激突という空前のスケール感に対し、生身の人間としてスクリーン上でどう存在感を放つか。彼は徹底的に役作りにこだわり、独特のテンポ感のあるセリフ回しでスクリーンに強い生命力を吹き込んだ。日本映画産業がもっとも熱かったあの時代、特撮映画における劇中劇の面白さを決定づけたのは、まさに彼の卓越したコメディセンスと演技力に他ならなかった。