物語のクライマックスとなる謝罪記者会見のシーンは、日本映画史に残る鮮烈な場面として語り継がれています。全身の崩壊とクリニックの違法捜査が明るみに出た中、純白のドレスで登場したりりこは、無数のフラッシュを浴びながらナイフを取り出し、自らの右目を突き刺します。
この衝撃的な自傷行為は何を意味していたのでしょうか。ネット上では「精神錯乱による自殺未遂」と解釈されることもありますが、文脈を精査すると本質は異なります。りりこにとって右目を潰す行為は、「大衆に消費され尽くす受動的な人形」であることを自ら拒絶し、美の決定権を自分の手に取り戻すための究極の反逆でした。メディアが求める「泣いて謝る落ちぶれたスター」という物語を拒絶し、自らの肉体を自らの意志で破壊することで、伝説のアイコンへと昇華したのです。
さらに、事件から時が経ったエピローグでは、海外のアンダーグラウンドなクラブで、眼帯をつけた妖艶なりりこが吉川こずえと再会する場面が描かれます。りりこは死んでおらず、表舞台のシステムから完全に脱出し、見世物として、あるいは美の絶対的な象徴として地下世界で生き続けていました。体制の枠組みを嘲笑うかのように不敵な笑みを浮かべる彼女の姿は、観客に強烈なカタルシスを残します。