日本の選挙において、他国に類を見ないほど厳格に運用されているのが戸別訪問の禁止だ。有権者の自宅を一軒一軒訪ねて投票を依頼する行為は、買収や利害誘導の温床になりやすいとして長年固く禁じられてきた。
「ネットで誰にでも個別メッセージを送れる時代に、物理的な訪問だけを禁じるのは時代遅れではないか」という疑問も聞かれる。しかし、密室での買収防止や生活の安寧を守るという観点から、この規定は今なお強固に維持されている。SNSのダイレクトメッセージ(DM)を用いた個別的な投票依頼が、この戸別訪問に類似する違反とみなされるリスクもあり、判断には細心の注意が必要だ。