三谷大河が放つ中毒性の正体は、張り巡らされた伏線と、隅々まで計算されたキャラクター配置にあります。大河ドラマのような長丁場において、三谷幸喜のキャスト相関図は主役と敵対勢力だけでなく、名もなき側近や侍女に至るまで役割と個性が徹底的に与えられています。
特に視聴者を唸らせるのが、大河ドラマにおける伏線回収と演出の妙です。第1話で交わされた何気ない冗談や小道具の扱いが、30話以上を経た運命の局面で決定的な意味を持って再登場する仕掛けは三谷脚本のお家芸です。『鎌倉殿の13人』において義時が口にした「キノコ」のエピソードや、義時が身につけていく黒い衣装のグラデーションなど、視覚と台詞の双方案で計算された演出が、視聴者の考察熱を掻き立てました。