がんぺーちゃんは番組開始当初(1996年4月の本放送開始時)からいたわけではありません。彼の初登場は、放送2年目を迎えた1997年4月9日放送の第2期第1回「あたらしい おとうと」です。
がんこちゃん一家は恐竜族であるため、弟の誕生も人間とは異なります。ある日、ざわざわ森の家に持ち込まれた巨大な「恐竜の卵」。家族総出で大切に温め続けた結果、パキパキと殻にヒビが入り、中から元気いっぱいに飛び出してきたのががんぺーちゃんでした。当時、リアルタイムで視聴していた子どもたちに「恐竜だから卵から生まれるんだ!」という強いインパクトを与えた名シーンです。
この誕生回が秀逸なのは、単なるおめでたいエピソードにとどまらず、第一子が抱えるリアルな心理的葛藤に踏み込んだ点にあります。それまで家族の愛情を一身に受けていたがんこちゃんは、両親やおばあちゃんの関心がすべて生まれたばかりのがんぺーちゃんに向いてしまうことで、激しい寂しさと嫉妬(赤ちゃん返りに似た疎外感)を覚えます。
しかし、小さく頼りない弟が自分を求めて笑顔を見せた瞬間、がんこちゃんの中に「お姉ちゃんとしての自覚と愛情」が芽生えます。幼児期における家族関係の変化と心の成長を、卵からの誕生というドラマチックな導入で見事に描き切りました。