館内の熱気は、過去の巨匠(人間国宝)たちの遺産だけに依存しているわけではない。3Dプリンターで出力した骨格に漆を施す試みや、バイオマテリアルを用いた染織など、20代・30代の気鋭作家たちによる実験的なアプローチが次々とピックアップされている。
伝統を墨守するのではなく、伝統を「最強のオープンソースコード」として捉え直すしたたかさ。ある若手作家は「数百年生き残ってきた技術は、あらゆる最新テクノロジーよりも強靭なバグ耐性を持っている」と言い切る。古典とアヴァンギャルドが火花を散らすスリリングな展示構成は、若い世代の来館者を熱狂させ、工芸に対する「古臭い」という先入観を木っ端微塵に粉砕している。