式場スタッフや参列経験者へのヒアリング取材を行うと、「本人は良かれと思って履いてきたものの、周囲が目のやり場に困ってしまった」という実例が数多く浮かび上がってきます。特に注意すべきNGパターンを整理しました。
第一に警戒すべきは「黒ストッキングの着用」です。黒のドレスや黒のパンプス自体はマナー上問題ありませんが、そこに透け感のある黒ストッキングを合わせてしまうと、日本では完全にお通夜や告別式といった「弔事」の装いになってしまいます。お祝いの場である結婚式では、どんなドレスカラーであっても自然な肌色のナチュラルストッキングを合わせることが揺るぎないマナーです。寒冷地や冬場の式典であっても、厚手の黒タイツを履いて会場に入るのは避け、ベージュのフェイクタイツなどを活用して肌色に見せる配慮が求められます。
第二のNGは「花嫁の色である純白のパンプス」です。靴単体であればベージュやオフホワイト、シルバー混じりのトーンは許容されますが、遠目から見て真っ白に輝くレザーパンプスは主役である新婦の特権を奪いかねません。淡い色味を取り入れたい場合は、シャンパンゴールドやシルバー、ピンクベージュなどのニュアンスカラーを選択するのが無難です。
続いて第三は「アニマル柄や毛皮・スエード素材」。ヒョウ柄やパイソン柄はもちろん、殺生を想起させるファー付きのパンプスは慶事の場にふさわしくありません。起毛感の強いスエード素材も秋冬の普段着としては優秀ですが、昼夜を問わずフォーマルシーンでは「カジュアルダウンした素材」と判定されるケースが多いため、光沢のある牛革・羊革、もしくはシルクサテンやレース仕立ての布製パンプスを選ぶのが正解です。
第四は「バイカラー(2色使い)デザイン」。「色が分かれている=別れ」を連想させるという伝統的な言い伝えが存在し、年配の親族や礼儀を重んじる来賓が多い式では敬遠される傾向にあります。そして第五は「サンダル・ミュール・スニーカー」です。かかとが固定されないバックレスタイプの靴は、歩くたびにパタパタと音を立てやすく、厳粛な誓いの場でのマナー違反と見なされます。