GoogleやSNSの検索候補に「日本大学工学部 やばい」と表示される現象は、受験生心理を著しく揺さぶります。しかし、現地取材や各種データを精査すると、この「やばい」という言葉の裏には全く異なる4つの背景が重層的に絡み合っていることが分かります。
第1の要因は、キャンパス所在地が福島県郡山市にあることへの驚きと誤認です。日本大学といえば東京都心(千代田区や新宿区など)のイメージが先行するため、合格後に「まさか東北地方だったとは知らなかった」と衝撃を受ける受験生が毎年のように現れます。都心の華やかなキャンパスライフを期待していた層から「左遷のようだ」といった極端なネットの反応が書き込まれ、独り歩きしている側面が否めません。
第2に、入試における見かけの偏差値です。大手予備校の最新偏差値データにおいて、工学部のボーダーラインは37.5〜45.0近辺に位置しています。これだけを切り取って「誰でも受かるFラン大学ではないか」と短絡的に断定する心ない声がネット上で散見されます。しかし、後述するように工学系の私立大学は母集団の学力層が文系と大きく異なり、偏差値40前後であっても強固な数学・物理の基礎学力がなければ入学後の進級は困難です。
第3は、進級基準の厳しさと「留年率」の高さです。工学部OBの手記や在学生の証言によれば、「実験レポートの提出遅れや試験の未達に対して教員陣が一切妥協しない」という伝統があります。「講義についていけず留年する学生が一定数存在する」という生々しい実態が、在学生による「単位取得が厳しすぎてやばい」という悲鳴となり、外部に歪んで伝わっています。
そして第4の理由は、ネガティブな意味とは正反対の「就職実績が想像以上に良すぎてやばい」という産業界からの驚きです。地方キャンパスでありながら、名だたる東証プライム上場企業やインフラ企業へ毎年大量の卒業生を送り込んでいる事実は、入試偏差値との落差から業界関係者を驚嘆させています。