全国に1,200カ所以上存在する道の駅の中で、千葉県南房総市の「道の駅とみうら 枇杷倶楽部」は特別な歴史を持っています。2000年に行われた「第1回 全国道の駅グランプリ」において、並み居る競合を抑えて初代日本一(最優秀賞)の栄冠に輝きました。道の駅が「単なる道路休憩所」から「旅の目的地(デスティネーション)」へと進化するパラダイムシフトを起こした先駆者的存在です。
長年にわたり高評価を維持し続けている最大の理由は、地域資源である「房州びわ」の徹底した高付加価値化にあります。南房総市富浦地区は、明治42年(1909年)から現在に至るまで皇室献上が続けられている最高峰のびわ産地です。しかし、生の果実としてのびわの旬は初夏のわずか数週間に限られます。枇杷倶楽部はこの課題を克服するため、自社工場によるピューレ加工やスイーツ開発をいち早く推進し、365日いつでも極上のびわ体験が楽しめる体制を構築しました。
さらに、館内に足を踏み入れると広がる英国風の開放的な吹き抜けアトリウム、四季折々の花が咲き誇るガーデンテラスなど、滞在そのものが心地よいリゾート空間として演出されています。特産品の物販のみに依存せず、五感で房総の豊かさを体感できる総合プロデュース力こそが、リピーターが途絶えない根本的な強みです。