教育機関における学籍管理において、大学中退と除籍の違いは「自律的な手続きの有無」と「大学側の記録保全」に集約されます。中退(正式名称:退学)は、学生本人が家庭の事情、進路変更、健康上の理由などにより退学届を提出し、教授会や学長の承認を経て学籍を離れる行為を指します。大学側には正規の在籍期間と修得単位が公式記録として残され、申請すれば「退学証明書」や「成績証明書」が滞りなく発行されます。
これに対し、除籍は大学の学則に基づき、大学側が職権で学籍を剥奪・抹消する行政措置です。主な事由としては学費未納による除籍が全体の8割以上を占め、そのほかに「修業年限(通常8年)の満了」「一定期間以上の音信不通(行方不明)」「二重学籍の禁止違反」などが該当します。学則の定めによっては「在籍そのものが初めからなかった(入学取り消しに準ずる)」とみなされるケースもあり、修得した単位が無効化される危険性すら伴います。
また、混同されやすい概念として「懲戒退学」が挙げられます。懲戒退学との違いを整理すると、懲戒退学は学則違反や刑事事件、重大な不正行為に対する「制裁処分」としての退学処分です。履歴書上の賞罰欄や面接での告知義務に直結する懲戒退学に対し、除籍は主として手続き・金銭的不履行を理由とする学籍整理ですが、対外的な信用度という観点では中退よりも圧倒的に厳しい目で見られるのが現実です。